住宅ローン40年はあり?35年との違い・メリットデメリット・後悔しない考え方を解説

住宅ローン40年はあり?35年との違い・メリットデメリット・後悔しない考え方を解説

住宅ローンの借入期間を40年にする場合、月々の返済額を抑えられる点は魅力ですが、総返済額の増加や老後の返済リスクも見逃せません。

そこで本記事では、40年ローンと35年ローンの違いをシミュレーションを交えて比較しながら、後悔しない住宅ローン選びのポイントをわかりやすく解説します。

コラムのポイント
・40年ローンは35年に比べて毎月の負担を軽減できる反面、支払利息が増えて総返済額が増えやすくなります。
・多くの金融機関は完済時年齢を80歳未満と設定しているため、40年ローンを活用しやすい年齢は39歳以下が一つの目安となります。
・繰り上げ返済を前提にした計画を立てることで、40年ローンの利息負担をできる限り抑えましょう。

住宅ローンは40年でも組めるのか

住宅ローンは40年でも組めるのか

住宅ローンの返済期間は、これまで最長35年が一般的でしたが、近年では最長40年に対応する商品もみられるようになりました。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月)」によれば、35年超~40年以内でローンを組んでいる人は17.9%、40年超が5.5%を記録しており、35年を超える返済期間を選ぶケースもめずらしくありません(※)。

しかし、住宅ローンには借入時の年齢や完済時の年齢に条件が設けられており、完済時年齢を80歳未満とする金融機関が一般的です。

そのため、40年ローンを活用しやすいのは、主に20代〜30代の借入層と考えられます。

〈出典〉住宅ローン利用者調査 2026年1月調査 |住宅金融支援機構

住宅ローンを40年で組むメリット

住宅ローンの返済期間を40年に延ばす主なメリットは次の3点です。

月々の返済額を抑えやすい

40年ローンの大きなメリットは、35年返済に比べて毎月の返済額を抑えやすい点です。

例えば、3,500万円を金利1.5%で借りた場合、元利均等返済・ボーナス返済なしで計算すると、毎月の返済額は35年ローンで約10万8,000円、40年ローンで約9万8,000円です。

借入期間毎月の返済額
35年約10万8,000円 
40年約9万8,000円

毎月の固定支出を軽減できれば、急な出費や収入の変動にも対応しやすくなり、家計管理の面で安心感が高まるのがうれしいポイントです。

検討できる物件の選択肢が増える

返済期間を40年にすると、毎月の返済額ベースでは予算を組みやすくなり、結果として検討できる物件の選択肢が広がる場合があります。

特に都市部では住宅価格の上昇が続いており、希望するエリアや広さの物件を予算内で見つけるのが難しいケースもめずらしくありません。

そこで40年ローンを活用すれば、月々の負担を一定に保ちながら資金計画を組みやすくなるため、立地や間取り、住環境などの条件面で選択肢を広げやすくなります。

教育費や貯蓄と両立しやすい

40年ローンを組むことによって毎月の返済額を抑えられれば、お子さまの学費や習い事、老後資金、緊急予備資金などに充てるお金を確保しやすくなるのもメリットです。

家計全体のキャッシュフローを安定させながら、無理のない返済計画を立てたい場合、40年ローンは魅力的な選択肢となります。

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住宅ローンを40年で組むデメリット

住宅ローンを40年で組むデメリット

住宅ローンを40年で組むと、毎月の返済額を抑えやすくなる一方で、長期返済ならではの負担やリスクもあります。

メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、家計や将来設計に合った返済計画を立てましょう。

総返済額が増えやすい

40年ローンでは、返済期間が延びて毎月の返済負担は軽くなる一方、その分だけ利息を支払う期間も長くなり、総返済額は増えやすい点がデメリットです。

例えば、借入額が3,500万円で借入期間35年・40年を比較すると、40年の総返済額は150万円以上高くなります。

借入期間毎月の返済額総返済額支払利息の目安
35年約10万8,000円 約4,501万円約1,001万円
40年約9万8,000円 約4,657万円約1,157万円

※数字は概算のためあくまでも参考としてください。

月々の負担を抑えられる点は魅力ですが、長い目で見ると支払う利息が増えてしまうため、利息負担をできるだけ抑えたい場合は繰り上げ返済も検討しましょう。

ローン残高が減りにくい

40年ローンは返済期間が長いため、返済初期は元金よりも利息の支払いが占める割合が大きくなりやすい点に注意が必要です。

毎月きちんと返済していても、「ローン残高が思っているより減らない」と感じることも少なくありません。

将来的に住み替えや売却を考えたとき、売却価格よりローン残高のほうが多い「オーバーローン」の状態になる恐れもあります。

購入時の借入額が大きい場合や物件価格が下落した場合は、資産状況を慎重に見ておくことが重要です。

定年後まで返済が続く場合がある

40年ローンを利用すると、借入時の年齢によっては定年後も返済が続きます。

30代後半で借りた場合、完済時の年齢は70台後半になり、老後資金との両立が大きな課題です。

退職後は現役時代より収入が減るケースが多いため、その状態で住宅ローンの返済が続くと、生活費や医療費に影響が出る恐れもある点に注意しましょう。

金利上昇リスクがある

変動金利型の住宅ローンを選ぶ場合は、将来の金利上昇にも注意が必要です。

返済期間が40年に延びれば、金利変動の影響を受ける期間も長くなるため、返済額や総返済額が増える可能性も十分に考えられます。

足元の金利だけで判断するのではなく、将来の負担増も見据えた無理のない返済計画が欠かせません。

住宅ローンのご利用を検討されている方はこちらの記事もごらんください。

【シミュレーションで比較】住宅ローンの40年と35年の違い

ここからは、40年ローンと35年ローンの違いを具体的なシミュレーションで確認していきましょう。

※各シミュレーションは元利均等返済、ボーナス返済なしで試算

パターン①借入2,200万円・金利0.8%

借入額2,200万円・金利0.8%のケースでは、35年ローンの月々返済額は約6万円、40年ローンは約5万4,000円です。

項目35年40年
月々の返済額約6万円約5万4,000円
返済総額約2,524万円約2,572万円

40年にすると毎月約6,000円以上負担が軽くなる一方、総返済額は35年の約2,524万円に対して40年は約2,572万円となり、約48万円増える試算となります。

パターン②借入2,500万円・金利1.2%

借入額2,500万円・金利1.2%でローンを組んだ場合、35年ローンの月々返済額は約7万3,000円、40年ローンは約6万6,000円となります。

項目35年40年
月々の返済額約7万3,000円約6万6,000円
返済総額約3,063万円約3,150万円

40年にすると毎月約7,000円下がりますが、総返済額は35年の約3,063万円に対し40年は約3,150万円となり、差額は約87万円です。

パターン③借入2,800万円・金利1.8%

借入額2,800万円・金利1.8%では、35年ローンの月々返済額は約9万円、40年ローンは約8万2,000円です。

項目35年40年
月々の返済額約9万円約8万2,000円
返済総額約3,777万円約3,930万円

40年にすると毎月約8,000円抑えられる一方、総返済額は35年の約3,777万円から40年では約3,930万円となり、150万円以上増える試算になります。

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住宅ローン40年と35年はどちらを選ぶべきか

住宅ローン40年と35年はどちらを選ぶべきか

40年ローンと35年ローンのどちらが適しているかは、借入時の年齢・収入状況・ライフプランによって異なります。

月々の返済負担を重視するのか、総返済額を抑えることを優先するのかという視点で、ご家庭の状況に合った選択肢はどちらか判断しましょう。

住宅ローンを40年で組むのがおすすめの人

下記の特徴に当てはまる場合、40年ローンがおすすめです。

  • 20〜30代で住宅の購入を検討している
  • 月々の返済額をできるだけ抑えたい
  • 教育費など住宅費以外の支出が多い時期にある
  • 今後の昇給やキャリアアップによる収入増加が見込める
  • 物件価格が高めのエリアで購入を希望している

40年ローンであれば、月々の負担を軽くしつつ家計全体のバランスを保ちやすくなるため、住宅費以外の支出が多い場合にも適しています。

しかし、総返済額が増えてしまう点を考慮し、タイミングを見て繰り上げ返済を積極的に活用するなど、できるだけ定年前の完済を目指すと安心です。

住宅ローンを35年で組むのがおすすめの人

下記のケースに当てはまる場合、35年ローンで返済期間を短く設定するほうが、長期的に見て有利になるケースが多いと考えられます。

  • 40歳以上で住宅ローンを検討している(完済時の年齢が80歳以上になるため基本的には借入不可)
  • 月々の返済に十分な余裕がある
  • 老後の生活費・医療費に備え、定年前に完済したい
  • 利息の総支払額をできるだけ抑えたい

返済期間が短いほど利息負担が軽減されるので、40年ローンよりも老後の家計を安定させやすくなります。

老後の生活にも十分に備えたい場合、無理のない範囲で早期完済を目指すプランが理想的です。

40年の住宅ローンで後悔しないためのポイント

40年の住宅ローンで後悔しないためのポイント

40年ローンは月々の返済額を抑えられる反面、返済期間が長くなるため、事前にしっかりとした計画を立てることが重要です。

以下の4つのポイントを押さえて、後悔するリスクを軽減しましょう。

完済時年齢を確認する

40年ローンを組む際、完済時の年齢を必ず確認しましょう。

多くの金融機関では、完済時年齢の上限を80歳未満に設定しています。

たとえば35歳で借入した場合、完済は75歳で上限には収まりますが、年金生活が始まって以降も返済が続く計算です。

老後の収入が減少する中、住宅ローンの返済が終わっていないと家計を圧迫しかねません。

完済時年齢が現実的かどうかを確認したうえで、無理のない借入計画を立てましょう。

繰り上げ返済を前提に計画を立てる

40年ローンで後悔しないためには、繰り上げ返済を最初から視野に入れることをおすすめします。

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に元金を前倒しで返済する方法で、利息の総額を大幅に減らすのに効果的です。

返済初期に繰り上げ返済を行うほど効果が高くなるので、ボーナス時や臨時収入があったタイミングで積極的に実施し、返済期間を短縮することで総負担を軽減しましょう。

金利上昇や利息負担について十分に考慮する

40年で住宅ローンを組む場合、金利の上昇リスクや利息の負担がどれだけかかるか慎重に考慮しましょう。

変動金利型を選んだ場合、今後の金利動向によっては返済額が増加する恐れがあります。

日本では長らく低金利環境が続いてきましたが、40年という長期間で返済する場合、金利が1〜2%上昇するだけで総返済額が数百万円単位で膨らむこともめずらしくありません。

固定金利と変動金利はそれぞれメリット・デメリットがあるので、金利が上がっても返済額を変えたくないのか、あるいは今の低金利を活かしたいのか、自分の家計状況に合わせてシミュレーションしながら選びましょう。

教育費・車の買い替えなど将来の支出増を織り込んでシミュレーションする

住宅ローンの返済期間中には、お子さまの教育費や自動車の買い替えなど、まとまった支出が度々発生すると想定されます。

住宅が築10〜15年を過ぎると、外壁や屋根のメンテナンス費用も必要です。

これらの支出を事前にライフプランに組み込み、住宅ローンと並行して家計が成り立つのかを、複数のシナリオで検証しておきましょう。

住宅ローンに関するよくある質問

住宅ローンに関するよくある質問

最後に住宅ローンに関するよくある質問にお答えします。

40年ローンは何歳まで組めるのか

多くの金融機関では、完済時年齢の上限を満80歳未満に設定しているため、40年ローンを組める上限年齢はおおむね39歳以下が一つの目安です。

40歳でローンを組むとなると、完済時がちょうど80歳となり、「80歳未満」という条件を満たせません。

年齢の条件は商品によって異なるので、事前に各金融機関の審査基準を確認しておくとスムーズです。

35年ローンとどちらが得か

35年ローンと40年ローンでは、一概にどちらが得とは言えません。

しかし、総返済額の観点では35年ローンの方が抑えられます。

返済期間が短い分、利息の支払い総額が少なくなるためです。

一方、40年ローンは月々の返済額を抑えられるため、家計に余裕が生まれます。

その余裕分を貯蓄や繰り上げ返済に充てれば、総返済額の差を縮めることも不可能ではありません。

繰り上げ返済はしたほうがよいか

余裕資金があり、生活防衛資金を確保したうえであれば、繰り上げ返済は有力な選択肢です。

しかし、手元の資金をすべて繰り上げ返済に充てると、急な出費に対応できなくなるリスクがあるため注意が必要です。

まとめ

住宅ローンの借入期間を40年にした場合、月々の負担を抑えやすいため、若い世代の方や住宅費以外の支出が多い時期には有効な選択肢です。

一方、総返済額の増加や老後の返済リスクといったデメリットも存在します。

繰り上げ返済を活用しながら完済時年齢や将来の支出を十分に考慮し、ご自身のライフプランに合った返済計画を立てましょう。

また、住宅の購入価格自体を抑えることによって、ローンの借入額を抑えるのもおすすめです。

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